レイモン・サヴィニャックは、フランスのポスター作家です
ポスター作家であるサヴィニャックは、1907年にパリで誕生しました。デザインの勉強をして、40年後にポスターの巨匠と呼ばれるまでには転職をくりかえしたそうです。ところが、友人と共に展示会を開いたときに、彼に転機が訪れました。石鹸の会社の社長の目に留まったのは、以前の職場で採用されなかったポスターの原画だったのです。このモンサヴォンのポスターがきっかけで、サヴィニャックはポスター作家としてブレイクしたのです。
かなり前のことですが、「森永チョコレート」の広告や「としまえん 7つのプール」のポスターが印象深く、確かテレビのCMでも放映していたと思います。
東京都板橋区の東武東上線・下赤塚駅南口にある「カフェ・ド・ギイ」のマスター山下さんは、サヴィニャックの原画などを収集しているギャラリーも営んでいます。しばらくはギャラリーだけに専念していましたが、ファンの後押しでカフェを再開したのだそうです。フランス、イタリアで料理の修行をしてきた腕は確かで、本格的なコース料理がリーズナブルに楽しめます。
サヴィニャックの作品と出会ったのは、「カフェ・ド・ギイ」でした。すぐにサヴィニャックが気に入り、あちこちの展覧会に行っていました。久しぶりに再開したカフェに、また足を運ぶことになりました。マスターは温かく変わらない笑顔で、昔話に耳を傾けてくれました。
そして、ある日、展覧会のために作ったというカレンダーを持ち帰れるとのことで、たくさんいただいてきました。2007年のものでしたが、偶然にも2018年と曜日の並びが同じだったので、うれしくてそのことをマスターに報告しに行ったものです。コーヒーとパンナコッタを注文すると、サヴィニャックを特集した「芸術新潮」を見せてくれました。素晴らしく素敵な特集だったので、早速購入して、彼が晩年すごしたトゥルーヴィルの街を訪ねることを決めました。
サヴィニャック本人から原画を買ってきたというマスターの話に夢中に耳を傾け、資料を集めて2018年8月のフランス旅行のプランに、ノルマンディーの街を加えました。パリから電車で2時間。あらゆるところにサヴィニャックの作品がある街でした。ユーモアとエスプリにあふれる自由な画風の作品は見る者の心を穏やかにしてくれます。
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