南フランスの避暑地・ヴァンス アンリ・マティスの礼拝堂へ
ニースから路線バスで約1時間。中世の鷲の巣城の街の一つであるヴァンスに到着です。バスターミナルからは岩山がよく見えます。ここからは、香水工場のあるグラースやスミレ祭りで有名なアーチストの街トゥーレット・シュール・ルーに向かうバスも出ています。バスは均一料金で一人1.5ユーロ。旧市街にある観光案内所で資料を手に入れて、次の行き先を決めるのも楽しい作業です。さて、今日目指すのはマティスの礼拝堂!
それではここから岩山の方向に歩き始めましょう。交差点にあるcasinoというスーパーマーケットを左に見て進むと、黄色いポストが目印の郵便局が左にあります。そのまま5分ほど行くと石でできた橋があります。車は一方通行の狭い道です。橋には歩道があるので、車と反対側から来る歩行者に気をつけながら渡ります。右手に旧市街、左の山の中腹にはシャトーホテルが見えます。旧市街から来るまで10分。11世紀の十字軍遠征のときに建てられたシャトー・サン・マルタン&スパです。レストランがあり、地中海が見えるテラス席がおすすめです。
しばらく進むと分かれ道があります。標識がありますが、ここでは左に進みます。右の道にも車が来るので気をつけて渡りましょう。ここを通る車は結構スピードを出して走ってきます。
途中、住宅地を季節の様々な花や木を眺めながら5分ほど歩いていくと、右手にレストラン・オーバカナルの看板があります。素敵な庭の中にレストランの建物が見えます。さらに5分ほど歩くとマティスのロザリオ礼拝堂の青い屋根が見えてきます。柵越しにはヴァンスの旧市街が遠くに見えています。つまり、旧市街からも礼拝堂がよく見えるのです。帰りには旧市街の中にある展望台フレーヌ広場に行ってみてください。山の中腹に白く輝く壁と青い屋根をすぐに見つけられます。
ロザリオ礼拝堂
1948年から1951年にかけて、晩年のマティスは自ら代表作と称した礼拝堂を装飾しました。コートダジュールの空と海と光を思わせる、ウルトラマリンブルー、グリーン、イエローの3色で構成されたステンドグラスが迎えてくれます。朝、昼、夕と光の表情が変わりいつまでも見ていたいという気持ちになります。サボテンをモチーフにしたデザインが白を基調とした空間とマッチしています。祭壇の白いタイル張りの床にカラフルな影を落とすステンドグラスが印象的です。
右側の壁には、白地のタイル壁に黒一色で『聖ドミニクス』の図が描かれています。見る人の想像力をかきたてる目も鼻も口もない顔。
ステンドグラスの窓と向かい合った壁には、幼いキリストと母マリア。後ろの壁には、キリストが捕らえられ、審判を受け、十字架へと向かう様子が描かれています。どちらも白いタイルに黒の素描で、ステンドグラスの色彩とマッチしてとてもモダンな雰囲気の空間です。シンプルさが見る者の想像力をかきたてます。祈りの場所なので、きちんとした服装で行きたいところです。礼拝堂からつながる建物には、マティスの写真や建築模型などの展示があります。パンフレットや絵葉書も買うことができます。
開館日時 月・水・土 14:00~17:30
火・木 10:00~11:30 14:00~17:30
休館日 金・日・祝、11月中旬~12月中旬
料金 6ユーロ
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